外航貨物海上保険関連用語集

保険契約者とは保険契約の当事者として、保険契約を締結し、かつ保険料を支払う人をいいます。
被保険者とは保険の受益者であり、貨物その他これに準ずるものが、損害を受けた場合にその滅失または損傷によって経済的な損失を被る立場にある人をいいます。また、被保険者は保険契約上の権利すなわち損害補償請求権(保険金請求権)を有します。
保険契約の対象物であり、輸送中のさまざまな危険によって滅失または損傷を受けるおそれのあるものをいいます。外航貨物海上保険の場合、輸送される貨物そのものをさします。
保険の対象が滅失または損傷することにより被保険者が経済的な損失を被る場合の関係を被保険利益といいます。外航貨物海上保険においては、売主(輸出者)または買主(輸入者)の貨物を保険の対象とし、その貨物の所有権が被保険利益となります。
保険会社が支払う保険金の最高限度額をいいます。国際貿易慣行上、保険金額は「航海が無事終了した場合に輸入者が得るであろう転売利益やその他諸掛かりの発生などを考慮して、CIF価格の110%で設定されることが一般的となっています。」
被保険利益を金銭に見積もった評価額をいいます。貨物の市価ともいえます。
貿易実務の中では、船積明細が直前あるいは船積後にならないとわからず、危険開始前に保険申し込みができないことがあります。このような場合に数量など必要事項で判明している限りの明細を保険会社に通知し契約する方式を「予定保険契約」といいます。
貨物によっては輸入関税(Duty)が課せられるケースがあります。この場合CIF価格の110%で設定した保険金額では、輸入関税支払い後に生じた事故の場合などに損害額が十分に補償されないといった事態が考えられます。このような場合に備えるため、別途輸入関税の実額を保険金額として設定し同一の保険証券で引受ることができます。これが輸入関税の保険です。
保険会社が保険契約の成立の証拠として発行するのが保険証券です。保険金額、適用保険条件、輸送期間、貨物等が記載され、船積書類(shipping documents)の一つです。CIFやC&Ⅰ等の売主手配(輸出業者)が保険の手配を行う場合、他の船積書類とともに売主(輸出業者)から買主(輸入業者)に裏書譲渡されます。又、貿易取引の国際性から国際的言語である英語が使用されています。
保険証券を発行した後に、保険証券の記載事項に変更、訂正が生じた場合に発行される書類です。
海上輸送では、船舶及び積荷は航海中の危険に対して運命を共にしています。例えば、座礁・火災・機関故障などが発生した場合、船舶、貨物共同の安全のために救助や消火活動が行われ、場合によっては船を軽くするために一部の貨物を海に投棄することがあります。これらのように共同の安全のために要した費用や犠牲となった貨物の損害を当該航海に関わっていた船舶および貨物などの利害関係者で分担し合う制度をいいます。
船会社や運送人等の過失により生じた損害に対し、保険会社が保険金を支払った場合、荷主に代わって損害賠償を請求することをいいます。正確には「代位求償」といいます。但し、もともと国際間の海上輸送における運送人の責任範囲は国際的統一規則である「ヘーグ/ヴィスビー・ルール」で賠償制限されています。

引受保険会社:三井住友海上火災保険株式会社
承認番号:B23-902825 
承認年月:2024年4月